Selamat Siang!スラマッ・シアン!
否、Bom dia! ボンジア!
ホワさんです!
前回に引き続き、まだまだ熱い!ワールドカップの話をお送りしたいと思います。
只今、準々決勝真っ最中のワールドカップ2014。
そして、前回の記事でもお伝えした通り、イスラム教は6月28日(宗派によっては29日)から1ヶ月の「ラマダン」と呼ばれる断食が始まりました。去年のラマダンは今年よりも少し遅く7月10日〜8月7日とに行われました。イスラム教の祭事は「イスラム暦(ヒジュラ暦)」で行わますので、私たちが普段使っている「グレゴリオ暦」に換算することで毎年少しずつ期間がズレるんですね。
断食についての詳しい記事は前に書かせて貰ったので
興味のある方はこちらで読んでみてください。
そんなわけで
日本でイスラム教の話題が(悪い方面で……)話題に取り上げられることが多くなってきた今、話題に登っているのが
” ムスリム(イスラム教徒)のワールドカップ出場選手 “
断食をしなければならないラマダンの時期とワールドカップがぶつかってしまうことで、ある問題が起きます。
それは、 断食などして、果たして試合に勝てるのか!? という問題。
ラマダンの時期になると、「日の出から日の入りまでの時間はご飯食べれない、お水飲めない」イスラム教徒。そんな状態で試合に出て大丈夫なの?と関心をよせている日本の皆様も多いようですが、インターネットで色々とニュースなどを見ていると、イスラム教徒について間違った理解も多いですね。
インドネシア人の友達の95%がイスラム教徒という中で暮らし、イスラム教の聖書であるコーランを読んだ私なりに、このワールドカップと断食の問題について、知っている事をお話させて頂ければと思います。
目次
断食とイスラム教徒の謎(ワールドカップ2014編)
謎その1、ラマダン中(1ヶ月)は本当に何も口にできないのか
結果から言うと答えは No です。
もちろん1日中何も口にしない状態を1ヶ月断食続けるわけではありません。そんなことをすれば当然死んでしまいます。何も口にしないのは、簡単に言うと日の出〜日の入りまで。ということは、日が出ていなければ大丈夫ということ。
例えば、本日2014年7月5日で考えてみましょう。
調べてみたところ、ブラジル、リオデジャネイロの日の出の時間は朝の6時34分。
日の入りは17時20分。
この日の出から日の入りまでは飲食禁止です。厳格なムスリムは唾さえも飲み込まないようにしています。しかし、6時34分まで、17時20分以降はごく普通に飲み食いして構いません。この時間帯だったらそんなに難しくないですね。ただ厳密には1日5回あるお祈りの、1番最初の ”ファジャール” までに食べるのが推奨されていますので、時間はもう少し早くなります。ファジャールは夜明け前に行われるお祈りなので、今日だったら朝5時前です。
5時前……と聞くと怖じ気づいてしまいますが、朝をかなり早めに食べてお昼ご飯を抜くと考えれば、思ったよりも耐えられそうじゃないですか?もちろん、本気でスポーツをする、となると話しは全く違いますけどね。
謎その2、日が出てる時間は試合時間と重ならない?
そうです。一番大切なのはここなんですよね。
今回のワールドカップ開催地はブラジル。日本との時差は12時間。
日本のテレビで試合を生で放送開始しているのは深夜1時〜朝の7時の時間帯なので、時計を半日遅らせるとお昼の1時〜夜の7時に試合が行われているということになります。そして、ラマダンを行う時間は自分が居る場所に依存しますので、アラブ人であろうと、インドネシア人であろうと、ブラジルに居ればブラジルの日照時間に合わせてラマダンをします。
試合開始が夕方4時ともなれば大変です。何も口にせず汗だけをかいてちょうど12時間近く。スポーツをしない人間が想像してもかなりキツいことは想像に難くありません。
じゃあ……。
謎その3、脱水症状その他諸々危ないよね?……というか死なない?
と思いますよね。
でもね、実は こ れ も 大丈夫なんです。
ラマダンは事情により免除されます。
子供や高齢者、それから妊婦さんなど、断食をすることにより身体に支障が出る人がいますね。こうした人々は指定のラマダン以外の時期に断食を行う事も認められています。それを選択することは、それはコーラン(聖書)にも記してある通りイスラム教的に認められている行為です。
つまり、今回の例でいえば、イスラム教徒の選手たちはワールドカップの時期はラマダンを中止して、ワールドカップ後に自主的にラマダンをすることで帳尻を合わせることが可能です。
ですが……。
そして4、恐らく選手は試合に関わらず断食するだろうな(推測)
というのが私の見解です。
といいますのは、断食はイスラム教徒に課せられている5つの義務のうちの1つだから。
神の恩寵を得るための義務ですから、このラマダンをやらずに試合に勝っても彼らとしては気持ちよくはないでしょうね。
辛い思いで断食をして勝ってこそ、アッラーの恩寵を感じられるわけですし、そうして「栄誉あるムスリム」として尊敬されることにもなるでしょう。
じゃあ、やっぱりそんな状態で試合したら危ないよね……?というふうに話が帰着しますが……。
恐らくメンバーの大半がイスラム教徒であるアルジェリアなんかは1日の活動時間を少し夜にずらしたり、睡眠時間を小分けにするなどして対応していると考えられます。その方がずっと自然ですしね。逆に、チームの中にイスラム教徒が1人や2人しか居ない方がよっぽど大変です。
以上、ワールドカップとイスラム教についてでした。
いつものことではありますが
イスラム教といえど、宗派や国や人によって捉え方は大きく異なってきますので
インドネシアのイスラム教圏で生活をしてきた
非ムスリムの一日本人の意見として捉えてくだされば幸いです。
それでは、
Ate logo!
ホワさんでした〜
ホワさん
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