2016年12月31日をもっての解散を発表したSMAPのニュースが大きく報道されています。
オリンピックの最中に各スポーツ紙の一面を独占…
なぜこれほど騒がれるのか…
「国民的グループ」という単語だけで片付けられない最強の男性アイドル「SMAP」
SMAP前とSMAP後では男性アイドルの社会的ポジションが全く変わりました。
そんなSMAPの転換点となった年…
今日の「その時」はSMAPが名実共に「国民的グループ」という呼称を手にする1996年。
今から20年前のお話です。
SMAP前…1980年代のお話
自分が小学生の頃には男性アイドルと言えば「光GENJI」でした。
(ちなみに自分の小学生時代はおよそ30年程前になります)
その人気は凄まじかったのを記憶しています。
男性アイドルの歴史はそのままジャニーズ事務所の歴史であり、たのきんトリオから少年隊、シブがき隊…と続きます。
ただ、男性アイドルとはあくまで女性ファンの人気に支えられていて、男性が憧れる存在ではありませんでした。
クラスの中で男子が男性のアイドルが好きというと、気持ち悪がられたものでした…
男性アイドルがテレビに出るのは歌番組やバラエティー、それも出演時には丁重なゲスト扱いを受けていたものです。
すでにアイドルを卒業していた田原俊彦さんがドラマには良く出ていましたが、現役男性アイドルがゴールデンのドラマで主役を張るようなことはあまりありませんでした。
餅は餅屋。
アイドルは俳優ではありませんでした。
そしてアイドルが登場する雑誌といえば、明星に代表されるようなアイドル誌やテレビ誌等…
アイドルがファッション誌でモデルを務めるようなことはありませんでした。
しっかりと線引きがされていたのです。
言葉は悪いですが、アイドルはただカメラの前でニコニコ笑い、派手な服を着て(もしくは逆に脱いで)歌って踊るかわらしい男の子…でしかなかったのです。
そんな1980年代も終わりにさしかかった頃…
光GENJIの後ろでスケボーに乗っていた少年達がデビューの準備に入っていました。
木村拓哉、中居正広、稲垣吾郎、森且行 、草彅剛、香取慎吾…
(実はここに野口隆史(後の反町隆史)がいたのも有名な話ですね)
そして、グループ名がスケートボーイズからSMAPに改まり、その時を待つのです…
SMAP後、アイドル達の芸能界大航海時代
いよいよSMAPがデビューの時を迎えます。
デビュー曲は王道アイドルソング、そしてかわいらしい振り付けに衣装、テレビの歌番組ではファンを客席に入れ込んだ演出…
そのデビューに関してはなんら他のアイドルと変わりません。
しかし、やがていくつかの変化が現れてきます。
先ず他のアイドルとの差異点として特筆すべきはレギュラー番組「夢がMORI MORI」の存在。
ここで大事なのは、アイドル同士がじゃれ合う女性ファンだけが喜ぶようなバラエティーではなく、アイドルとして参加していたのはSMAPだけで、
他は一般のタレントさん達ばかりということでした。
当時絶好調だったバラドル森口博子と森脇健児のモリモリコンビによるMC…
決してSMAPが「ジャニーズのアイドルだから」と特別扱いを受けるようなこともなく、アイドルでありながら体を張った企画にも取り組み、バラエティーの基礎的体力を着けていきます。
そして、やがてSMAP俳優班(木村、稲垣、森)のドラマ出演が増えていきます。
SMAPメンバーのドラマ進出におけるターニングポイントは稲垣吾郎の「二十歳の約束」(フジテレビ月曜9時)
これであったことは間違いありません。
女性ファン以外にはほぼ無名だった稲垣吾郎がいきなりの月9主演です。
当時人気絶頂だった牧瀬里穂の「ヒューヒューだよ!」という台詞も話題になりましたね。
どう見ても優等生のおぼっちゃんにしか見えない吾郎ちゃんが不良役…佐野元春の音楽に乗せて、傷だらけの顔で牧瀬里穂を探しに夜の道を疾走する…というなんともミスマッチな映像を記憶していますが、若干二十歳の稲垣吾郎が月9に主演するという事象自体が歴史的な出来事だったと思います。
それまでのアイドルのドラマ出演といえば、学園ドラマの賑やかしや主人公の兄弟だったり、ちょっとした出演ばかり…
より具体的に言えば○○先生の生徒の一人…などが主でした。
フジテレビの大ブランドである、月曜9時の主演に、当時はまだお世辞にも世間一般には知名度があると言えなかった稲垣吾郎が抜擢されるという、まさにエポックメイキングな出来事でした。
これもSMAPが塗り替えた歴史の一つですね。
そして正真正銘のスーパースター、木村拓哉の物語もやがて幕を開けます。
それまでアイドルが決して表紙になるようなことはなかった、10代の”イケてる”男性向け雑誌「POPEYE」や「Hot Dog Press」の表紙を木村拓哉がソロで次々に飾ります。
このあたりで、世間の評価は確実に変わりました。
自分の高校は男子校だったのですが、1年生(1993年頃)の頃には…
「おまえSMAPとか好きなの?アイドルじゃん!気持ち悪!」
と言われていたのが、3年生(1995年)の頃には…
「POPEYEでキムタクの履いてたジーンズかっこよくね?!俺買うわ!」
等と、急転直下の進化を遂げていました。
そして木村くんはドラマ出演も本格化…
「あすなろ白書」「若者のすべて」と作品にも恵まれました。
稲垣、木村がドラマで実績を積み、更に木村拓哉は軒並みファッション誌を押さえ”キムタク”としてファッションアイコンにも…
そして、その裏で中居・香取・草彅くん達「バラエティー班」が着実に知名度を高めていったのも忘れてはいけません。
その中でも特に「いいとも」のレギュラーは大きかったと思います。
自分はレギュラーとしてのSMAP3人の初登場回を鮮明に記憶していますが…揃って紹介された中居くん、香取くん、草彅くんはほとんどしゃべることが出来ず…この先大丈夫なの!?と親のように心配してしまったものです。
しかしSMAPはいいともレギュラーを皮切りに更にテレビ界での攻勢を強めます。
そして1994年に主演映画「シュート」の主題歌「Hey Hey おおきに毎度あり」で遂に初のオリコン首位を獲得。
(この頃はMステの常連でもありましたが、Mステ出演時にタモリさんと軽快な絡みが出来るようになったのも、いいともレギュラー出演のもたらした効果であったと思います)
そして、今日の「その時」それが…1996年。
ドラマ班、バラエティー班に別れて歩いて来たこの着実な歩みが一つの道になるのが…96年、4月放送開始の木村拓哉のモンスタードラマ「ロングバケーション」が視聴率30%をたたき出したのを皮切りに、「FNSの日」(現在の27時間テレビ)のパーソナリティーに就任、そしてSMAP×SMAPの放送開始と人気絶頂でのまさかの森且行脱退というドラマ、SMAP×SMAPで見せたリーダー中居正広の涙…SMAPはそれまでの男性アイドル像を遥かに超えて「国民的グループ」となったのです。
彼らのギアがただのアイドルから、空前絶後・前代未聞の時代の偶像(アイドル)に切り替わったのはまさにこの1996年の出来事でした。
そしてこの後20年間、皆さんご承知のようにSMAPは更なる活躍の道を歩き今に至るのです。
アイディア・企画の勝利か?個人の資質か?
それまでのアイドル像を次々に塗り替えるSMAP。
では、何故そうなりえたのか…
例えば、まったく同じ事を光GENJIのメンバーがやっていたらどうだろう?
SMAPが他のアイドルと同じような売り出し方をしていたらどうなっていただろう?
たらればの回答をあれこれと想像しても意味はありません。
ただ、SMAPに関して言える結論は…
「類い稀なプロデュース力と突出した個の才能が混ざりあい、生まれた結果」が今のSMAP…だと思います。
全てのプロデュースは先日の解散報道でも世の中を騒がせたマネージャーのI氏によるものである事は間違いありません。
SMAPの戦略は、まずドラマ班とバラエティー班と役割を分けて、その上で様々なクリエイターやブレーンを登用して個々の才能を適材適所伸ばすという、尋常ではないプロデュースワークにその礎があります。
この全ての下絵を描いたと思われるI氏とは、本当に傑物なのだと思います。
そしてそれに応えた5人も普遍ならざる者です。
SMAP後、男性アイドルの活躍の場は何十倍にも広がったと言えると思います。
歌い、踊るだけではなく…
流行のファッションを発信し、流行のクリエイターとコラボし、大河ドラマの主役を張り、ニュース番組でキャスターを務める…
SMAP、TOKIO、V6、嵐…と現在のジャニーズ勢の活躍ぶりは枚挙に暇がないですね。
しかし、重要なのはパイオニアたること。
その道を切り拓くことです。
残念ながらSMAP以降、そこに踏み込んだ男性グループはいませんね。
現在のアイドルは全てSMAPの模倣、
もしくはその恩恵にあずかっているものでしかないと思います。
と、ここまで言うとちょっと言い過ぎかもですが…汗
兎にも角にも、そんなSMAPが解散を迎えます。
エンターテインメントの世界に於いて一つの時代の終わり、歴史の転換点であることは間違いないと思います。
しかしながら、時代の終わりは新たな時代の始まりでもあります!
2017年以降、新たなエンターテインメントの世界を切り拓くのは誰になるのでしょうか。
もしかしたら…既に活躍しているあのグループ…
いや…今はまだ小さいライブハウスで、数人のお客さんを前にしているあのグループとか…
または…今日もまたオーディションに落ちて、肩を落として歩いている彼…
もしくは、東京から1000キロ以上離れた島で人知れず地道にレッスンに励んでいる彼女達…
2017年、誰がスターになるのか…想像するとワクワクしますね。
是非とも新しい才能にエンターテインメントで世の中を湧かせてほしいものです!
と、なんだかこれで記事が終わりそうですが…
まだまだSMAPについて語り足りない自分がおります。汗
次回のBLOGでは…
「日本一かっこいい男」木村拓弥のドラマでかっこいいシーンBEST5をお送りします。
乞うご期待!
こにたん
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